Berserk Armads
〜君への贈り物〜
2019年08月09日発行
オフセット(オンデマンド印刷)・A5版28頁
本体価格400円
レーティング・そこはかとなくR-18
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FEHのバレンタイン外伝のへクエリ話。外伝ストーリー前夜で、烈火本編より少し後の時間軸で書いております。『Casablanca 〜カサブランカ〜』の続きとなりますが、単体でも読める仕様になっております。子世代との出会いによってほんの少しだけ未来を知った時のふたり。エリウッド視点とヘクトル視点で描いております。
異界への召喚を烈火本編のお話も絡めて描いた妄想本。切なさ多め、基本は両思いで甘さ過度注意な内容です。
あとR-18なEROも含んでおりますのでご注意下さい。
♪♪♪プレビュー♪♪♪
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(エリウッド視点)
「あの……おじ様」
「リリーナ、どうしたんだ?」
「実はその――あの……お時間があれば、私の話を訊いてもらっていいですか?」
迷いながら、戸惑いながら声をかけてきたのは彼と同じ強い眼をした少女。
すぐに彼女が何を言いたいのか、僕には理解できた。
「君のお父さんのことだよね?」
「はい……もし、聞いて頂けるなら」
思い惑うのは当然だろう。
どこまで話していいのか、どこまで自分の世界で見た過去を明かしていいのか、と。
僕の記憶の混乱は、もしかしたら彼女がこれから話そうとしていることに関わるのかもしれない。
ただ気がかりなのは、彼女――リリーナ自身の心の問題だ。
「うん。それは僕からもお願いしたいことだ。だけど……君に辛いことを訊いてしまうんじゃないか?」
「――いいえ。私の知っている過去と、おじ様たちの未来が同じ道とは限りませんから。だからもし、おじ様の世界では変えられるなら、私と同じような悲しみを背負ってほしくないんです」
それでも彼女が話したいと言っているのは、わずかな可能性に賭けているのだろう。
彼女の知っている『過去』が、僕らの辿る『未来』とは別モノになるように。
「そうか……。僕に何ができるかわからないけれど、もし出来ることがあれば何でもする覚悟はあるよ」
「――ごめんなさい、おじ様。私のワガママを訊いてもらって……おこがましい願いだと、神様に逆らうことだと自覚はしています。それでも、もし叶えられるなら――」
彼女から紡がれる言葉の痛みを覚悟しながら、そして何を言いたいのか予測できたけれども、僕は静かに彼女の言葉を待つ。
「どうか、お父様を助けて下さい」
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目を醒ました時に、顔が冷たいと感じた。
――涙。
夢の中では泣いていなかったのに、目を醒ました僕は自分が泣いていることに気づいた。そしてここがまた、別の意味で「夢」の続きであることを思い出す。
窓から差し込む光はまだ明けきらない朝の日。このまま窓を開ければ、その香りを胸に吸い込むこともできるだろう。
けれどまだそうしたくなかった。これが夢の続きなら、このまま醒めないでほしいと願ってしまう。
少しだけ見慣れない部屋、少しだけ戸惑う世界。
……僕らは今ここに〃英雄〃として呼ばれている、戦うために。
そう、ここにいる僕も、ここにいるヘクトルもどの未来や過去に繋がれているのかわからない。
(もしこの世界にいる〃彼〃が、僕の世界の〃彼〃と違うとして、僕は何もしないのか?)
(彼女が願ったことを、無かったことにできるのか――)
(伝えてほしいと思ったことを、忘れることができるのか……)
それでも、僕は大切な人たちを護りたい。そして可能な限り幸せにしてやりたい。そのために必要ならば戦おう、この命も、心も捧げて。
戦いだけが、僕らを今ここで繋いでいた――。
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ヘクトル視点はかなりネタバレになるので、掲載を控えております。
相変わらず若の幸せを全力で推奨する管理人です。
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