☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

烈火発売十周年に向けて個人的にお祝いしようと密かにこっそり制作中の作品『ＡＤ』のプレビュー的な本です。『ＡＤ』本編のアナザーエピソードやダイジェスト、省略されるシーン（複数入る予定のエロすなところのワンシーン）などを収録。
健気（？）なエリと思わず抱きしめたくなるような若を目指しております。
切ないけれど幸せ、幸せだけれど切ないの基本路線を前面に押し出して制作中。
宜しければ来年春発売予定の『ＡＤ』とあわせてご期待下さい。

♪♪♪プレビュー♪♪♪

　ほんの少しでいいから、優しい世界があるように。
　世界の果てで、願わずにはいられなかった――。

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

「誰だって自分の命を助けてくれた相手を大切に思わないはずがないじゃないか。もう何度も彼に命を救われているんだ。もう数え切れないほど……」

「じゃあエリウッド様は、それに値するだけのモノを返せると思いますか？　それとも、こんなことを聞くオレを卑しいと蔑みますか？」
「――……」
「残酷なことを言うかもしれません。あの人はオレたちの国に、リキアに必要な人なんです。貴方のための盾や剣ではないんです……だから、どうか――」

「あの人を、連れていかないで下さい……」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

　信じていなかった。祈ることも縋ることも忘れていた。
　それでも……。
　どうか、お願いします。
　神様、どうかお願いだから――。
　どうか大切な人を護らせて下さい。
　
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

「俺はお前を護れたらそれでいいんだ」
「――じゃあ君を護りたいと願う人の気持ちはどうなるんだ？」
「それでも変わらねぇよ」
「君がどれだけ国や家族、仲間を大切に想っているか知っている。だけどそんな風に君は言えるんだね――僕にはそんな選択はできないよ……」

「お前はお前のことだけ考えていろ。後のことは俺に任せていろ」
「だけど……！」
「頼むから、俺にお前を護らせてくれ。それが叶わないなら、今ここにいる意味がないんだ」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

　目を閉じ、耳を塞ぎ、全ての醜いものから遠ざけて、痛みへの耐え方さえ忘れさせてしまえばいい。
　そうやって依存させれば全てが手に入るだろうか？　自分無しにはいられないようにして、忘れられない深い〃痕〃にして、喪えない痛みだけを覚えさせれば、同じだけ想ってもらえるのだろうか？

　ただ相手の幸せだけを望むことができたら、きっと優しい世界になったはずなのに。
　もうそんな場所は、きっと何処にもないのだろう。
　
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

「痛かったよね、ごめん――」

「今度は……僕が君を護ってあげる、だから――」

　ふたりで、帰ろう……

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

※暗い雰囲気ですが、幸せな話の予定

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　BACK

SEO		[PR] 爆速!無料ブログ無料ホームページ開設無料ライブ放送